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第19条 解雇制限

■□ 労働基準法 第2章 労働契約 □■
 第13条 この法律違反の契約  第18条の2 解雇
 第14条 契約期間等  第19条 解雇制限
 第15条 労働条件の明示  第20条 解雇の予告
 第16条 賠償予定の禁止  第21条 解雇予告の適用除外
 第17条 前借金相殺の禁止  第22条 退職時等の証明
 第18条 強制貯金  第23条 金品の返還


解雇制限

第19条
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。


2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。


天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合

解雇制限(法第19条)及び解雇の予告(法第20条)に規定する天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となったとして、認定申請がなされた場合には、申請事由が天災事変その他やむを得ない事由があるだけでは十分ではなく、そのために事業の継続が不可能になることが必要です。

(イ)やむを得ない事由

<該当する場合>

事業場が火災により消失した場合(事業主の故意又は重大な過失による場合を除く)

震災に伴う工場、事業場の倒壊、類焼等により事業の継続が不可能となった場合


<該当しない場合>

事業主が経済法令違反のため強制収用され、又は購入した諸機械、資材等を没収された場合

税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合

事業経営上の見通しの齟齬の如き事業主の危険負担に属すべき事由に起因して資材不足、金融難に陥った場合(個人企業で別途に個人財産を有するか否かは本条の認定には直接関係は無い)

(ロ)事業の継続が不可能とは、事業の全部又は大部分の継続が不可能になった場合をいいます。以下の場合にはこれに含まれません

事業場の中心となる重要な建物、設備、機械等が消失を免れ多少の労働者を解雇すれば従来どおり操業できる場合

従来の事業は廃止するが多少の労働者を解雇すればそのまま別個の事業に転換できる場合

一時的に操業中止に至ったが、事業の現況、資材、資金の見通し等から全労働者を解雇する必要に迫られず、近く再開復旧の見込みが明らかである場合

(昭和63年基発150号)


有期雇用契約期間の満了と解雇

一定の期間又は一定の事業の完了に必要な期間までを契約期間とする労働契約は、ほかに契約期間満了後引き続き雇用関係が更新されたと認められる事実が無い限り、その期間満了とともに終了します。
したがって、業務上負傷し又は疾病にかかり療養のため休業する期間中の者の労働契約もその期間満了とともに終了します(昭和23年基発56号、昭和24年基収3908号、昭和63年基発150号)。

傷病回復後の解雇

業務上負傷し又は疾病にかかり療養していた労働者が完全に治癒したのではないが、労働し得る程度に回復したので、出勤し、元の職場で平常どおりに労働していたところ、使用者が就業後30日を経過してこの労働者を法第20条に定める解雇予告手当てを支給して即時解雇した場合、 解雇制限の規定に違反しない(昭和24年基収1134号)(昭和24年基収1134号)。

療養中の解雇

障害補償が行われた後、外科後処置として保健施設における療養期間中は、療養のための休業期間ではないから障害補償支給事由確定の日から30日以後は解雇することができます(昭和25年基収1133号)。

予告期間中に業務上疾病にかかった場合

30日前に解雇予告をし、その解雇予告期間満了前に労働者が業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業を要する場合には、たとえ1日、2日の軽度の負傷又は疾病であっても解雇制限の適用があります。 負傷し又は疾病にかかり休業したことによって、前の解雇予告の効力の発生自体は中止されるだけであるから、治癒した日に改めて解雇予告をする必要はありません。ただし、休業期間が長期にわたり、解雇予告として効力を失うものと認められる場合を除きます(昭和26年基収2609号)。

定年退職

就業規則に定める定年制が労働者の定年に達した翌日をもってその雇用契約は自動的に終了する旨を定めたことが明らかであり、かつ従来この規定に基づいて定年に達した場合に当然雇用契約が消滅する慣行となっていて、それを従業員に徹底させる措置を採っている場合は、解雇の問題は生じません。 したがって、法第19条の解雇制限の問題も生じません。

派遣労働者

解雇制限(労働基準法第19条)及び解雇の予告(労働基準法第20条)における事業の継続が不可能であるかどうかの判断は、派遣元の事業について行われるので、仮に、当該派遣中の労働者が派遣されている派遣先の事業の継続が不可能になったとしても、これに該当しません(昭和61年基発333号)。

震災

本社及び工場の大部分が罹災のため、資金面に行き詰まりを来たし、その会社が解散した結果、非罹災工場も自ら事業の継続が不可能となった場合は「天災事変その他やむを得ない事由に該当するので、解雇予告は除外認定されます。
なお、その工場が、残務整理等のため、とりあえず一部労働者の解雇予告除外認定の申請をした場合でも、認定して差し支えないとされています(昭和23年基収2697号)。


解雇制限の例外

(イ)

打切補償(法第81条)を支払った場合
※打切補償…療養の開始後3年を経過し、平均賃金の1,200日分を支払えば解雇できる。

(ロ)

天災事変その他やむを得ない理由のために、事業の継続が不可能となった場合(行政官庁の認定が必要)



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