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第24条 賃金の支払 |
| ▼ 賃金の支払 |
第24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
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賃金の支払い方法について、労働基準法では、労働の対象である賃金が安全かつ確実に労働者に渡るように
- 通貨払い
- 直接払い
- 全額払い
- 毎月1回以上払い
- 一定期日払い
の5つの原則を定めています。
直接労働者に
賃金の支払い規定は、労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものなので、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは、いずれも本条違反となり、労働者が第三者に賃金受領権限を与えようとする委任、代理等の法律行為は無効です。
ただし、使者に対して賃金を支払うことは差し支えないとされています(昭和63年基発150号)。
派遣中の労働者の賃金を派遣先の使用者を通じて支払うことについては、派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、直接払いの原則には違反しません(昭和63年基発333号)。
<判例>
労働者が賃金債権を他に譲渡したとしても、なお使用者は直接労働者に賃金を支払わなければなりません。
したがって、労働者が退職手当の給付を受ける権利を他に譲渡したとしても、退職手当は賃金に該当するため、使用者は直接労働者に対し退職手当を支払わなければならず、譲受人から使用者に対しその支払いを求めることは許されない(最高裁判所 昭和43年3月12日)。
全額払い
<判例>
使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することは、原則として賃金全額払いの原則に違反します。
ただし、労働者が同意し、同意が労働者の自由意思に基づいたものであると認められる合理的な理由が客観的に存在するときは、使用者による賃金債権の相殺は同原則に違反しない(最高裁判所 平成2年11月26日 第2小法廷判決)。
過払い賃金の相殺は、それが合理的に接着した時期になされ、金額、方法において労働者の生活を脅かす恐れのない限り許される(最高裁判所 昭和50年3月6日)。
退職後同業他社に就職した社員に支給すべき退職金の額を、一般退職の場合の半額とする旨の規定は有効である(最高裁判所 昭和52年8月9日)。
就業規則において、「賞与は決算毎の業績により支給日に在籍している者に対し各決算期につき1回支給する」と規定され、慣行として支給日在籍者払いがある場合、支給日前に退職した者に賞与を支給しないことは正当である(最高裁判所 昭和57年10月7日)。
労働協約
賃金の支払規定における労働協約は、労働組合法でいう労働協約のみを意味するものであり、労働者の過半数を代表する者との協定は労働協約ではありません。
なお、労働協約の定めによって通貨以外のもので支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られます(昭和63年基発150号)。
厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合
○賃金又は退職手当の支払いについて(則7条の2、1項2項)
労働者の同意を得た場合には
(イ)
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当該労働者が指定する銀行その他金融機関に対する当該労働者の預金若しくは貯金への振込
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(ロ)
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労働者が指定する証券会社に対する当該労働者の預かり金(一定の要件を満たすものに限る)への振込
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「同意」とは、労働者の意思に基づくものである限りその形式は問わないものであり、
「指定」とは、労働者が賃金の振込対照として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定する意味であって、この指定が行われれば同項の同意が特段の事情のない限り得られているものであるとされています。
また、「振込」とは、振り込まれた賃金の全額が所定の賃金支払日に払い出し得るように行われることを要します(昭和63年基発1号)
○退職手当の支払いについて(則7条の2、2項)
労働者の同意を得た場合には、前記の方法による他に以下の方法によることができます。
(イ)銀行その他の金融機関によって振り出された小切手の交付
(ロ)銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手の交付
(ハ)郵便為替の交付
「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問いません。
「その他の金融機関」とは、小切手法の適用につき銀行と同視されるものを言います。
「郵便為替」には、普通為替、電信為替及び定額小為替があります(昭和63年基発1号)。
賃金の一部控除
事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において、その労働組合との書面による協定(労働協約)もなく年末賞与等の賃金から食費等を一部控除することは賃金の支払違反になります(昭和27年基収6115号)。
賃金の一部控除については、控除される金額が賃金の一部である限り、控除額についての限度はありません。
なお、私法上は、民法第510条及び民事執行法第152条の規定により、一賃金支払時期の賃金又は退職金の額の4分の3に相当する部分(退職手当を除く賃金にあっては、その額が民事執行法施行令で定める額を超えるときは、その額)については、
使用者側から相殺することはできません(昭和29年基収6185号、昭和63年基発150号)。

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