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第39条 年次有給休暇

■□ 労働基準法 第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 □■
 第32条 労働時間
 第32条の2 1か月単位の変形労働時間制
 第32条の3 フレックスタイム制
 第32条の4 1年単位の変形労働時間制
 第32条の5 1週間単位の非定型的変形労働時間制
 第33条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等
 第34条 休憩
 第35条 休日
 第36条 時間外及び休日の労働
 第37条 時間外、休日及び深夜の割増賃金
 第38条 時間計算
 第38条の2 事業場外労働
 第38条の3 専門業務型裁量労働制
 第38条の4 企画業務型裁量労働制
 第39条 年次有給休暇
 第40条 労働時間及び休憩の特例
 第41条 労働時間等に関する規定の適用除外


年次有給休暇

第39条
使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。


2 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。 ただし、継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、 当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。


6箇月経過日から
起算した継続勤務年数

労働日

1年

1労働日

2年

2労働日

3年

4労働日

4年

6労働日

5年

8労働日

6年以上

10労働日


3 次に掲げる労働者(1週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前2項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、 通常の労働者の1週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第1号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の1週間の所定労働日数又は1週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
  1. 1週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
  2. 週以外の期間によって所定労働日数が定められている労働者については、1年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に1日を加えた日数を1週間の所定労働日数とする労働者の1年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者


4 使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる


5 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第1項から第3項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、 これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。


6 使用者は、第1項から第3項までの規定による有給休暇の期間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、 労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間について、健康保険法第99条第1項に定める標準報酬日額に相当する金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。


7 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、 介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。


全労働日

年次有給休暇の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なる場合もあります。
したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は全労働日に含まれません。


なお、次に掲げる場合については、全労働日に含まれないものとします。
(イ)使用者の責に帰すべき事由による休業の日
(ロ)正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くされなかった日(昭和33年基発90号、昭和63年基発150号)


全労働日に含まれる場合

(イ)業務上の負傷、疾病による療養のための休業期間
(ロ)育児休業期間
(ハ)産前産後の休業期間
(ニ)年次有給休暇


継続勤務

労働契約の存続期間、すなわち在籍期間をいいます。
継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものであり、次に掲げるような場合を含みます。この場合、実質的に労働関係が継続している限り勤続年数を通算します。

(イ)

定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合(退職手当規程に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む。)。ただし、退職と再採用との間に相当期間が存し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合は含まれません。

(ロ)

解雇予告の適用除外(法第21条)に該当する者でも、その実態により引き続き使用されていると認められる場合

(ハ)

臨時工が一定月ごとに雇用契約を更新され、6ヶ月以上に及んでいる場合であって、その実態により引き続き使用されてきると認められる場合

(ニ)

在籍型の出向をした場合

(ホ)

休職とされていた者が復職した場合

(ヘ)

臨時工、パート等を正規職員に切り替えた場合

(ト)

会社が解散し、従業員の待遇を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合

(チ)

全員を解雇し、所定の退職金を支給し、その後改めて一部を再採用したが、事業の実態は人員を縮小しただけで、従前とほとんど変わらず事業を継続している場合

(昭和63年基発150号)


他の時季にこれを与えることができる(時季変更権)

事業の正常な運営を保持するために必要があるときは、労働者の意に反する場合においても年次有給休暇を与える時季の変更ができ、年度を超えて変更することもできます。
なお、事業の正常な運営を妨げる場合とは、個別的、具体的に客観的に判断されるべきものであると共に、事由消滅後できる限り速やかに休暇を与えなければなりません(昭和23年基収2622号)。


第5項:計画的付与

年次有給休暇は、労働者が指定する時季に与えることとしていましたが、年次有給休暇の取得日数を増やすため、計画的に休暇を取る制度が導入されました。
この計画的付与制度をとる場合には、労使協定で、その具体的な方法を定めなければなりません。つまり、事業場全体の休業による一斉付与の場合には、具体的な付与日を協定において特定することとなり、個人別付与の場合は、たとえば、年次有給休暇付与計画表による付与ならば、 計画表を作成する時期、作成の手続きなどについて協定し、また職場のグループごとの付与のような場合は、そのグループごとの具体的な付与日を協定において特定することになります(昭和63年基発第1号)。


計画的付与の場合には、労働者の時季指定権および使用者の時季変更権はともに行使できません(昭和63年基発150号)。


年次有給休暇の計画的付与の対象となる5日を超える部分に前年繰越分も含みます(昭和63年基発150号)。

に、事由消滅後できる限り速やかに休暇を与えなければなりません(昭和23年基収2622号)。


平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

年次有給休暇の賃金の選択は、手続き簡素化の見地より認められたものであります。したがって、労働者各人についてその都度使用者の恣意的選択を認めるのではなく、平均賃金と所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金との選択は、 就業規則その他によって予め定めるところにより、また健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額の選択は、時間外労使協定と同様の労使協定を行い、年次有給休暇の際の賃金としてこれを就業規則に定めておかなければなりません。 またこの選択がなされた場合には、必ずその選択された方法による賃金を支払わなければなりません(昭和27年基発675号)。


年次有給休暇権

(イ)

法第39条第1、2項の条件が充たされることによって、法律上当然に労働者に生ずる権利です。したがって、年休権の発生について労働者の請求や使用者の給付行為は不要です。

(ロ)

年次有給休暇は、客観的に事業の正常な運営を妨げる事由が存在し、これを理由として使用者が時季変更権を行使しないかぎり、労働者が時季を指定すれば成立します。

(ハ)

年次有給休暇の利用目的は、使用者の干渉を許さない労働者の自由です。したがって、労働者が争議行為・組合活動への参加(一斉休暇闘争を除く。)のために年休を取得することは認められます(昭和41年(オ)第848号昭和48年3月2日第2小法廷)。


<所定労働日数が少ない労働者に対する年次有給休暇の比例付与>

所定労働日数

1年間の
所定労働日数

雇入れの日から起算して継続勤務期間

6ヶ月

1年
6ヶ月

2年
6ヶ月

3年
6ヶ月

4年
6ヶ月

5年
6ヶ月

6年
6ヶ月以上

4日

169日216日

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

3日

121日168日

5日

6日

6日

8日

9日

10日

11日

2日

73日120日

3日

4日

4日

5日

6日

6日

7日

1日

48日72日

1日

2日

2日

2日

3日

3日

3日


<判例>
労働者の年次有給休暇の請求自体が、その指定した休暇期間の始期にきわめて接近してされたため、使用者に時季変更権を行使する時間的余裕がなかったようなときは、休暇期間が開始又は経過した後においても時季変更権を行使し得る(最高裁判所昭和57年3月18日)



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